顧問税理士の選び方|5社を比較・面談して分かった7つのポイント
顧問税理士を変更するにあたり、今回は複数の税理士事務所・税理士法人と実際に面談しました。
今回の税理士探しでは、複数の方法で候補を集めました。
税理士を変更することにした経緯や、実際に利用した紹介サービスについては別の記事で詳しくまとめています。
今回利用した税理士紹介サービスの体験談
面談前は、税理士選びで大きな差が出るのは「料金」「freeeへの対応」「税理士本人が担当するか」といった条件面だと思っていました。
しかし実際に複数の候補と話してみると、同じように見える税理士事務所でも、面談内容や担当体制、提案力、契約後のイメージにはかなり大きな差があることが分かりました。
今回の記事では、実際に複数の税理士候補を比較・面談した経験から、「税理士を選ぶときに何を確認すればよいのか」をまとめます。
※本記事では、実際に面談した税理士事務所・税理士法人・担当者の具体名は伏せて記載しています。
税理士候補は条件だけで選ばない方がいい
今回、税理士を探すにあたり、事前にいくつか希望条件を決めていました。
- freeeに対応していること
- こちらで日々の経理入力を行う自計化スタイルに対応できること
- 法人FXの会計・税務に対応できること
- 現在の経理フローを大きく変えずに移行できること
- 連絡手段としてChatworkやGoogle Driveなどが使えること
- 料金が現在の顧問料と比較して妥当であること
こうした条件を満たしているかどうかは、税理士を絞り込むうえで非常に重要です。
ただ、実際に面談して感じたのは、条件を満たしていることと、その税理士に依頼したいと思えることは別だということでした。
今回面談した候補の中にも、freee対応、法人FX対応、税理士本人が担当といった条件を満たしているにもかかわらず、面談後すぐに候補から外した事務所があります。
逆に、最安ではなかったものの、担当者や組織体制、税務面の提案内容まで含めて最も安心感があった税理士法人を最終的に選びました。
今回比較した税理士候補
今回、実際に面談した主な候補を匿名化して整理すると、次のような違いがありました。
| 候補 | 年間料金 法人2社合計 |
担当体制 | 主な印象 | 個人評価 |
|---|---|---|---|---|
| A事務所 | 66万円 | 代表税理士本人 | 堅実・専門家型 | 85点 |
| B税理士法人 | 72.6万円 | 担当者+組織 | 担当者と組織のバランスが良い | 93点 |
| C税理士法人 | 約67万円 | 組織・担当制 | freee・ITに強い | 85点 |
| D事務所 | 86万円 | 代表税理士本人 | 面談内容がやや物足りない | 45点 |
| E税理士法人 | 72.6万円 | 税理士+アシスタント | 代表は好印象、日常対応はスタッフ中心 | 83点 |
料金には66万円から86万円まで約20万円の差がありました。
しかし、最終的に選んだのは最安の66万円の事務所ではなく、年間72.6万円の税理士法人です。
この結果からも、今回の税理士選びでは価格だけで判断しなかったことが分かります。
税理士選びで最も重要だと感じた7つのポイント
複数の税理士と面談した結果、特に重要だと感じたのは以下の7点です。
1. 実際に誰が担当するのか
今回、税理士を比較する中で最も重要だと感じたポイントの一つが、「契約後、実際に誰とやり取りするのか」です。
税理士事務所のWebサイトを見ていると、代表税理士や代表公認会計士のプロフィールが大きく掲載されているケースが多くあります。
しかし、代表と面談したからといって、契約後もその人が日常的に対応してくれるとは限りません。
実際、今回面談した候補にも、
- 代表税理士本人がすべて担当する事務所
- 代表+税理士+アシスタントのチームで対応する法人
- 日常対応はアシスタントが中心となる法人
- 契約後に担当者が決まる法人
など、さまざまな形がありました。
個人的には、契約前に実際の担当予定者と話せる税理士法人が最も安心感がありました。
代表者の印象だけでなく、自分が普段やり取りする人と相性が合うかを事前に確認できたからです。
2. 面談でどれだけ自社について質問してくれるか
面談時間にもかなり違いがありました。
ある事務所との面談は約45分。
一方、別の事務所は20分弱で終了しました。
単純に面談時間が長ければ良いというわけではありませんが、内容には大きな違いがありました。
45分程度話した事務所では、こちらの事業内容や現在の経理方法についてある程度確認しながら話が進みました。
それに対し20分弱で終わった事務所では、こちらが会社の状況を説明する時間が中心で、先方からの質問や提案はそれほど多くありませんでした。
面談後に感じたのは、税理士が自社についてどの程度興味を持って質問してくれるかは、契約後の対応を想像する重要な材料になるということです。
こちらから一方的に説明して終わる面談よりも、
「現在はどのように処理していますか」
「この取引についてはどうしていますか」
「こういう方法も考えられます」
など、具体的な質問や提案がある方が安心感があります。
3. freeeに「対応できる」だけでは不十分
今回面談した候補の多くはfreeeに対応していました。
そのため、最初は「freee対応可」であれば十分だと思っていました。
しかし、実際には事務所によってfreeeの使い方にかなり差があります。
例えば、
- 入力した内容をどのくらいの頻度で確認するのか
- 間違いがあった場合にどのように連絡するのか
- こちらの入力方法を改善してくれるのか
- freeeを使った業務フローの効率化まで考えてくれるのか
といった点です。
特に印象が良かった候補では、こちらがfreeeに入力した内容を継続的にチェックし、問題があれば連絡・修正するという流れを具体的に説明してもらえました。
一方で、「freee対応できます」という説明だけで終わる事務所もあります。
freee対応の有無ではなく、実際にどのような運用になるのかまで確認した方がよいと感じました。
4. 税務経験だけでなく提案力を見る
税理士に求めるものとして、税務・会計の正確性は当然重要です。
ただ、複数の税理士と比較してみると、税務面での提案力にもかなり違いがありました。
今回最も評価が高かった税理士法人では、現在の処理について確認するだけではなく、税務面で改善できそうなポイントについて具体的な話がありました。
例えば、旅費規程の日当についても見直しの余地があるという提案がありました。
もちろん、節税策は何でも積極的に行えばよいというものではありません。
重要なのは、リスクを理解したうえで、選択肢を具体的に提示してくれるかだと思います。
「問題ありません」
「今のままでいいです」
だけではなく、
「こういう方法もあります」
「この場合はこの程度のリスクがあります」
と説明してくれる税理士の方が、相談相手として価値を感じました。
5. 特殊な取引は「経験あり」だけで判断しない
私の場合、法人でFX取引を行っているため、法人FXの会計や税務に対応できることは重要な条件でした。
実際に法人FXの顧客経験がある税理士も複数いました。
一方、経験がない税理士でも、取引内容や現在の仕訳方法を説明すると、対応可能と回答した事務所もあります。
そのため今回感じたのは、「経験があるか」だけでなく、実際に内容を理解して対応できるかを見ることが重要だということです。
経験があれば安心材料になりますが、経験がないだけで候補から外す必要はないと感じました。
逆に「法人FXを扱ったことがあります」と言われても、それだけで税理士事務所全体の評価が高くなるわけではありません。
6. 個人の安心感と組織の安心感は別
今回の候補には、小規模な税理士事務所と大きめの税理士法人の両方がありました。
小規模事務所の魅力は、代表税理士本人が直接担当してくれることです。
担当者が変わりにくく、会社の状況を長期的に理解してもらいやすいという安心感があります。
一方、税理士法人には組織としての強みがあります。
今回最終的に選んだ候補では、
- 担当者以外の税理士によるバックアップ
- 税務調査への豊富な対応経験
- 社会保険に関する相談
- 弁護士や司法書士など他士業との連携
などの体制がありました。
つまり、
「この税理士本人に任せたい」
という人への安心感と、
「何かあっても組織として対応してもらえる」
という組織への安心感は別物です。
どちらを重視するかは会社によって異なると思いますが、私の場合は最終的にこの両方をある程度満たす候補を選びました。
7. 料金は最後にサービス内容とセットで比較する
今回の候補は法人2社合計で、
- 年間66万円
- 年間約67万円
- 年間72.6万円
- 年間72.6万円
- 年間86万円
と料金に幅がありました。
最安は年間66万円。
しかし、最終的に選んだのは年間72.6万円の税理士法人です。
差額は年間6.6万円です。
月額にすると約5,500円。
この差額で、
- 契約前に実際の担当予定者と話せる
- 担当者の印象が良い
- freeeのチェック体制が具体的
- 税務面での提案がある
- 税務調査への対応経験が豊富
- 組織としてバックアップがある
といった違いがあるのであれば、私にとっては年間6.6万円を払う価値があると判断しました。
税理士選びでは「一番安いところ」ではなく、「払う料金に対してどこまで任せられるか」で比較する方がよいと感じています。
面談前に聞いておいてよかった質問
今回の経験を踏まえると、税理士との面談では最低限次の点を確認しておくと比較しやすいと思います。
- 契約後、実際に担当するのは誰か
- 担当者が変更になる可能性や頻度
- freeeをどのように確認するのか
- 会計データのチェック頻度
- 間違いがあった場合の対応方法
- 普段の連絡手段
- 質問への返信スピードの目安
- 定期面談の頻度と方法
- 決算・申告以外に何が料金に含まれるか
- 法人FXなど特殊な取引への対応
- 税務面でどの程度提案してもらえるか
- 税務調査が入った場合の対応方法
- 顧問料以外に発生する可能性がある費用
すべてを機械的に質問する必要はありません。
ただ、複数の税理士と比較する場合は、同じ質問を各候補に聞いておくと違いがかなり見えやすくなります。
逆に、面談で違和感があったポイント
今回、面談した段階で候補から外した税理士事務所もありました。
そのときに感じた違和感を振り返ると、
- 事前に伝えた会社情報をあまり把握していない
- こちらが説明する時間ばかり長い
- 先方から質問がほとんどない
- 具体的な提案がない
- 契約後の担当方法がイメージできない
- 料金の根拠やサービス内容が分かりにくい
といった点でした。
もちろん、初回面談だけですべてを判断することはできません。
ただ、税理士との初回面談は、知識だけでなく「この人・この事務所と数年間やり取りできそうか」を確認する場でもあると思います。
条件が良くても、面談後に違和感が残るのであれば、他の候補も見てから決めた方が安心です。
複数の税理士と面談して本当に良かった
今回の税理士探しでは、紹介サービスや直接問い合わせを使い、複数の候補と比較しました。
正直なところ、1社目の面談だけでも「ここでも十分かもしれない」と思える候補はありました。
しかし、その後さらに面談を続けたことで、
- 担当者本人が出てくる事務所
- 代表は出るが実務はスタッフ中心の事務所
- freeeに特に強い税理士法人
- 税務提案に積極的な税理士法人
- 法人FX経験がある事務所
など、それぞれの違いが見えてきました。
結果として、最初の候補で決めずに複数面談したことで、自分が税理士に何を求めているのかも明確になったと思います。
税理士探しでは、最初から完璧な条件表を作るのは難しいものです。
実際に何人かと話すことで、
「これは重要だった」
「これはそこまで重視しなくてもよかった」
という部分が見えてきます。
まとめ|税理士選びでは「誰に、どう任せるか」を見る
今回、複数の税理士事務所・税理士法人と面談して感じたのは、税理士選びは料金やスペックだけでは決められないということです。
freee対応、法人FX対応、料金などは候補を絞り込むための重要な条件です。
しかし、最終的な判断では、
- 実際に誰が担当するのか
- 担当者と話しやすいか
- 会社について理解しようとしてくれるか
- 具体的な提案があるか
- freeeをどのように運用するのか
- 担当者だけでなく組織として安心できるか
- 料金とサービス内容のバランスが取れているか
といった部分の方が重要でした。
今回、最安の候補ではなく年間6.6万円高い税理士法人を選んだのも、その差額以上の価値を感じたからです。
税理士は数年間付き合う可能性がある相手だからこそ、「一番安い税理士」ではなく「この人・この体制なら安心して任せられる」と思えるかどうかで選ぶのがよいというのが、今回の税理士探しを通じて得た結論です。
最終的にどの税理士法人を選んだのか、現在の顧問料からいくら変わったのかについては、こちらの記事でまとめています。
顧問税理士変更シリーズ
- ① 顧問税理士を変更することにした理由
- ② 法人の税理士の探し方|実際に試した3つの方法
- ③ ビスカスを実際に使ってみた体験談
- ④ 税理士ドットコムを実際に使ってみた体験談
- ⑤ 顧問税理士の選び方|5社を比較・面談して分かった7つのポイント
- ⑥ 顧問税理士を変更|5社を比較した結果と費用・手続きまとめ