会社設立の際の設立登記には認証された定款が必要になります。

定款については紙で作ると4万円の印紙税がかかりますが、電子定款にすることで印紙代が不要になります。

そのため、会社設立時に電子定款を選択される方も多いと思いますので、会社設立時の電子定款の作り方、手順を紹介したいと思います。


会社設立時の電子定款作成の流れ

会社設立時の電子定款作成の流れは以下のようになります。

  • 定款をwordファイルなどで作成
  • 定款ファイルをPDFファイルに変換
  • 住民基本台帳カードの取得
  • 電子証明書の取得
  • PDF電子署名プラグインをインストール
  • 電子署名の付与


定款をwordファイルなどで作成

まず定款そのものを作成する必要があります。

定款ファイルはwordなどの文書作成ソフトを使って作成します。

定款ファイルはネット上に数多く雛形がありますので、それらを利用するととても簡単に定款を作成することができます。

記載事項等は別の記事でまとめています。

なお、定款へ記載する作成日付は電子署名を行うのと同じ日付に設定します。


定款ファイルをPDFファイルに変換

定款のファイルができたら、そのファイルをPDFファイルに変換します。

注意したいのは、この後PDFファイルに電子署名を付与する必要があります。

フリーソフトのPDF変換ツールは多くありますが、これらのソフトでは電子署名の挿入はできません。

公的な電子証明書をPDFファイルに挿入するには、専用ソフトを利用する必要もあり、そのソフトとの互換性も考えると、Adobe AcrobatでPDF変換をする必要があります。

無料のAcrobat Readerなどでは電子署名をつけることができませんので、有償版のAdobe Acrobatが必要になります。

ただし、Adobe Acrobatには日数限定の無償の体験版があります。

これを使うことで無料でPDF変換をすることができます。

私が利用した時にはAcrobatの最新版が「Acrobat DC」でしたが、随時最新版は変更になるので、法務省のPDF署名プラグインが対応する最新版のAcrobatの体験版を使用します。

私はAcrobat Pro DCの無償版が14日間利用できたので、そちらを利用してPDF変換、署名の付与を行いました。

Acrobat Pro DCの無償体験版をダウンロード


住民基本台帳カードの取得

次に住民基本台帳カード(住基カード)を取得します。

上述したとおり、電子定款には電子署名をつける必要がありますが、電子署名をつけるのに必要なのが電子証明書の認証で、これに住基カードが必要になります。

住民基本台帳カードの取得は住民票のある市区町村の役所でできます。

費用は500円ほどかかりますが、役所の窓口で15分程度で交付してくれました。(発行時間は自治体や混雑具合によって変わります。)

住基カードの申請には以下の書類が必要になりますので、住民票住所の役所に持っていきましょう。

  • 運転免許証やパスポートなどの証明書
  • 写真(その場で撮影も可)
  • 交付申請書(窓口に置いてある)
  • 手数料約500円

このように見ると、ほとんど何も必要ないですね。

住基カードはE-TAXなどでも使いますので、E-TAXなどをしている人はすでに取得済みの場合もあると思います。

私は電子定款を作成する時にはすでに住基カードを持っていて、電子証明書もあったので特に苦労しませんでした。

住所を田舎にしている人などはここで苦労するかもしれませんね。


電子証明書の取得

次に電子証明書を取得します。

電子証明書を取得する方法はいくつかありますが、個人が取得しようとすると公的個人認証サービスが最も手軽でお安くすみます。

公的個人認証サービスで電子証明書を取得するには住民票住所の市区町村の窓口で取得することができます。

住基カードを取得される人は一緒に取得することができるので、一度の手続きで電子証明書まで取得することができます。

電子証明書の発行手続きが完了すると、電子証明書発行確認票が交付されます。

発行された電子証明書はICカード(住基カード)に保管されることになります。

電子証明書がカードの中に保存されるようなイメージですので、取扱には注意が必要です。

利用するときには住基カードをICカードリーダライタで読み取って使う必要があり、ICカードリーダライタが必要になります。

ICカードリーダライタは2,000円から6,000円くらいで購入することができます。住基カードのタイプによって接触型、非接触型、共用型などICカードリーダライタのタイプも変わってきます。

お使いの住基カードのタイプにあったICカードリーダライタを選択するようにしましょう。

また公的個人認証サービス対応のものが必要になります。

どのICカードライタを使えば良いかわからない時にはこちらが参考になります。
ICカードライタ一覧


PDF電子署名プラグインをインストール

次に電子署名をつけるためのプラグインをインストールします。

電子署名をつけるためのソフトは法務省がAdobe Acrobatのプラグインという形で提供しています。

以下のページの「PDF署名プラグイン」のダウンロードを選択することでプラグインのインストールをすることができます。

PDF署名プラグイン

画面内にインストールガイドやプラグインの操作説明書もあるので、こちらもダウンロードしておきましょう。

なお、PDF署名プラグインは対応しているAdobe Acrobatのバージョンが限られます。無償のAcrobat Readerにはインストールできないので注意が必要です。

インストール前に対応バージョンをチェックしておきましょう。


電子署名の付与

定款のファイル、電子証明書、ICカードライタ、PDF署名プラグインが準備できたら、いよいよ電子署名の付与をします。

基本はPDF署名プラグインの操作説明書に従って、電子署名を付与していきます。

操作説明書には一つずつの手順が記載されているので、操作に悩むことはないと思います。

以上が電子定款の作成方法です。


電子定款作成にかかる費用

  • ICカードリーダライタ:2,000円-6,000円
  • 住基カード:500円
  • 電子証明書:500円

電子定款の作成方法を見てきました。

電子定款作成にかかる費用は、ICカードリーダライタと住基カード、電子証明書の費用で合計3,000円くらいで作成することができます。

よくある電子定款の解説サイトではAdobe Acrobatの有償版の購入費用として、3.5万円から5万円程度の費用を加算していますが、上述した通り体験版や無償版がありますので、それらを利用することでAdobe Acrobatの費用は必要なくなります。

それらのサイトでは電子定款の作成代行や会社設立の代行サービスの営業がしたいので、「自分でやると高い」ということをアピールしてきます。

そのような情報には踊らされず、自分でやる場合の正しい費用を把握しておく必要があります。

私はe-TAXを利用していて、もともとICカードリーダも電子証明書、住民基本台帳カードも持っていましたので、無料で電子定款を作成することができました。

個人事業主から法人成りする人の場合は、同じようなケースも多いと思いますので、そのような方は無料で作成することができます。

自分で会社設立を検討されている人はなるべく経費を抑えたい人だと思いますので、会社設立の代行業者や電子定款の作成代行業者への費用は、余分な経費になる可能性が高いです。

作業自体もそれほど難しくないので、この部分を業者に任せるのか自分でやるかは慎重に検討されることをおすすめします。

私の作業時間は雛形から定款を作成するところから30分位でできましたので、自分でやることもぜひ検討してみてください。


会社にあった良い税理士を見つける

私は税理士選びに税理士紹介サイトを使って、複数の税理士と面談して比較して税理士を決めました。

サービスと料金の比較ができるのはもちろん、重要となる「顧客の立場に立つ姿勢」や「知識量」も複数の税理士を比較することですぐにわかります。

税理士紹介サービスを4社利用しましたが、ビスカスは業界最多の登録税理士の中から、成約率が高く質の良い税理士から紹介してくれるので、紹介してもらった税理士の質が他社とは全然違いました。

専門のコーディネーターもついてくれて、業種や要望にあった税理士を紹介してくれます。

税理士紹介実績もNo1なので、まずはビスカスに紹介してもらうのがおすすめです。

利用料無料で、納得いくまで税理士選びをサポートしてくれます。

ビスカスの詳細を見てみる